第九十七章

ジュリア視点

私はゆっくりと目覚めた。繭に包まれているみたいなぬくもりが、全身をやさしく抱いている。頬の下で規則正しく上下するマシューの胸の動き――それは、どんな目覚まし時計よりも心地よかった。半分だけ閉じられたカーテン越しに陽光が差し込み、くしゃくしゃのシーツに金色の模様を落としている。しばらくのあいだ、ただ彼の匂いを吸い込んだ。松の香りと土の匂い、それから彼にしかない何か。長い不安の歳月のあとでは異国の感覚みたいに、満ち足りた気持ちが胸に広がっていく。

内側で、私の狼――カイアがのんびりと伸びをした。『おはよう』彼女は喉を鳴らすように囁く。

顔を上げると、マシューはもう目を覚ましてい...

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