第104話

アルファ・ニコラス

「誰とも話さないと決めた心境の変化は分かった。だが、皆が逃げ出した時、なぜ茂みに隠れていたんだ? 捕まるだろうことは分かっていたはずだろ?」俺がシェーンに手綱を任せて後ろに下がると、彼はアルベルトに尋ねた。「それを望んでいたんだ」と、アルベルトは唸るように言った。

「なんだって? どうしてだ?」ロビーが、俺が言おうとしたことをそっくりそのまま口にした。「自分からあんたたちのところへは行けないが、俺たちが隠れて逃げようとしているところを捕まえてもらえれば、それはもう俺の意思ではどうにもならないことだからな、と」まあ、認めてやらんでもない。世界一賢いやり方とは言えないが、最悪...

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