第12話

アルファ・ニコラス

「おい、ふざけてんのか!」ジェームズが唸る。このクソ野郎、ソフィーの傷跡のせいで俺たちのソフィーを拒絶しやがった。本気で言ってるのか! 俺から漏れた唸り声が足元の地面を揺るがし、今この場で奴の首をへし折ってしまいたい衝動を抑えるので精一杯だった。俺はソフィーを腕で包み込むと、彼女がぐったりと体に寄りかかってくるのを感じた。

可哀想に! あの日以来、彼女の人生は決して楽なものではなかった。三人の親友を失っただけでなく、鏡を見るたびに自分の傷跡が目に入り、あの忌まわしい日……あの恐ろしい記憶を思い出させられるのだ。それなのに今、自分のせいでもないことでメイトに拒絶されるなん...

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