第17話

アルファ・ニコラス

今夜はとんでもない嵐のようだった。舞踏会を主催したかと思えば、未来のルナ気取りの女たちとの面会を強制され、挙句の果てに自分のメイトを見つけてしまう。どれもこれも望んだことではなかったというのに、追い打ちをかけるように、深夜一時に女たちが縄張りを走り回っていると叩き起こされたのだ。それだけでは飽き足らず、その女の一人が俺のメイトで、もう一人が弟のメイトだったとは。

誤解しないでほしいが、弟のことは心から嬉しく思っている。あいつが長いことメイトを待ち望んでいたのは知っている。だが、出会うにはあまりにも最悪な状況だ。それに、弟のメイトが俺のメイトの親友だなんて、どんな確率なんだ...

ログインして続きを読む