第41話

アルファ・ニコラス

電気が消えた瞬間、心臓が跳ね上がった。誰の仕業か、すぐに分かったからだ。「トニー、やめろ!」部屋中に響き渡る俺の怒声は、壁に跳ね返って俺自身や他の皆の頭をぐらつかせるほどだった。隣にいるボニーの手を掴むと、彼女がひどく震えているのが分かり、途端に怒りがこみ上げてきた。「ウィル」今度は少し声を抑えて呼ぶと、彼はすぐに俺のそばに来た。「ここにいろ。命に代えても彼女を守れ!」彼は頷くと、彼女の反対側へと歩み寄った。

人狼であることの大きな利点の一つは、暗闇でも目が見えることだ。すでに部屋の様子ははっきりしてきており、好都合だった。もっとも、大した問題ではなかったが。前にも言...

ログインして続きを読む