第45話

ソフィー

「それで、調子はどう、可愛い子? 嘘はつかないでちょうだい。あたしにそんなもの、通用しないって分かってるでしょ」

監房へ向かいながら、スージーに思わず笑みがこぼれる。彼女のことが大好きだ。年長のオメガで、本当に素敵な人。いつもみんなのためにそこにいてくれて、私の人生ずっと、信じられないほどの支えになってくれている。特に両親を亡くしてからは。彼女自身、人生でたくさんの心痛と苦しみを味わってきたというのに、そんなことが信じられないくらい、毎日毎日、親切なのだ。運命の相手だけでなく、二人の子供まで失うという経験を乗り越えてきたのに、それでも彼女は信じられないくらい優しい。

「大丈夫だよ...

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