第5話

ボニー

全身を分厚い汗の層に覆われ、息を切らしながら私は目を覚ます。父の虐待が夢にまで出てくることはそう頻繁にはないけれど、一度出てくると、そこは地獄だ。大抵、夜な夜な私を苦しめるのは最悪の殴打の記憶。火曜の夜に受けた折檻の後では、その夢を見るのも無理はない。ここ二晩ずっとそうで、この先もしばらくは止みそうにない。

そう、聞き間違いじゃない。折檻、複数形。放課後に罰を受けることは分かっていたし、受け入れてもいた。一つは、父が朝、アルファ・マインドリンクで呼ばれる前に私への仕置きを終えていなかったから。もう一つは、私が一言も告げずにこっそり学校へ抜け出したから。父をさらに怒らせることは承知の上だった。でも、どうしても逃げ出したかったのだ。

だけど、予想していなかったのは、父が私に仕掛けてくる復讐の種類だった。肉体的、精神的な虐待、飢えさせること、服を取り上げること。それらは父にとって標準的なやり方だった。でも今回は、私が兄の『せいにした』と兄本人に告げることにしたのだ。その結果、私は父からだけでなく、兄からも殴られる羽目になった。正直に言えば、あの時、一瞬、今夜を生き延びられないんじゃないかと思った。でも、悲しいかな、生き延びてしまった。

脇腹を押さえながら身を起こすと、痛みに顔をしかめる。肋骨を折ったことは前にもあるけれど、正直言って今回は最悪だ。あのクソッタレの兄貴は、一本どころじゃなくやったんだろう。なんて優しいこと! 肋骨を折られただけじゃ飽き足らず、罰のもう一つはベッドの使用禁止。だから私は一枚のシーツだけで床に寝るしかなかった。

ドアが大きな音を立てて叩かれ、私はビクッと跳ねて痛みに呻く。「雑種、起きてるだろうな!」父の怒声がドア越しに響く。「起きております、サー」私は呼び返す。そう、もう一つ許されていないこと。家の中では父を「お父さん」と呼んではいけない。来客がいる前ではそう呼ばなければならないけれど、それ以外は「サー」か「マスター」だ。「五分以内に階下に下りて朝食の準備をしろ。さもなければ、兄貴にお前を始末させる。今朝はお前の尻を叩いてる時間はないんでな」窓際に置かれた古い目覚まし時計に目をやると、まだ午前四時半だと分かり、私は呻いた。私の人生、最悪。

ほとんど眠れていない。床から起き上がるのにありったけの力が必要だったけれど、なんとか体を起こし、階下へ下りて朝食の準備を始めた。やがて、山盛りのパンケーキを作り、フルーツのボウルとシロップの瓶をベーコンエッグと一緒にテーブルに並べた。「これだけか? 六時間も移動することを考えれば、大したご馳走じゃないな」

今日は舞踏会の日だ。長旅の前に腹ごしらえとしてちゃんとした朝食を期待しているのは分かっていた。でも、今の私にできるのはこれが精一杯で、これで十分であってくれと祈っていた。なんて馬鹿な私。

「申し訳ありません、サー。何か他に用意いたしましょうか?」

父が答える前に、ブルーとローワンが二人してキッチンに気取った様子で入ってきた。二人とも見せびらかすように着飾り、そのことを得意げに思っているようだ。ローワンは黒いスーツに白いシャツを合わせ、足元はピカピカの黒い革靴。髪はジェルで完璧に固められ、部屋に充満するアフターシェーブの匂いに、瓶に中身はもう残っているのだろうかと疑問に思うほどだ。

ブルーは肌にぴったりと張り付く青いドレスを着ていて、想像の余地を一切残さない。長いブロンドの髪はストレートで肩の少し下まであり、足にはハイヒール、顔には山ほどの化粧を施している。今夜、舞踏会があるのは知っているけれど、もうそのためのドレスアップをしているとは思わなかった。現地で準備したいものではないのだろうか? いずれにせよ、彼女はメイティング・ボールに向かうというより、ナイトクラブにでも行くような格好だ。

ブルーと私は二卵性の双子で、私に欠点が多いのに対し、彼女は美しい。だからこそ、彼女がとんでもない性悪女だという事実が、一層残念に思える。もし彼女が見た目に合った性格をしていたら、誰かにとって信じられないほど素晴らしい伴侶になったことだろう。

現状、彼女のそばに長くいるのはほとんど我慢ならない。彼女はまだ運命の相手(メイト)に会っていないけど、もし会ったら……まあ、その相手が誰であれ、心から同情するわ。彼女をメイトにするくらいなら、いっそ一生会わない方が彼のためだ。でも、あの子の運がいつもどれだけいいかを考えると、きっと彼女のくだらないわがままに耐えてくれるような、最高のメイトと結ばれるに違いない。可哀想な人。

「おい!」父の怒鳴り声が、さまよっていた私の意識をこのクソみたいな現実へと引き戻した。「すみません、お父様。少しぼうっとしていました」。父は部屋を横切り、私の真正面に立つと、顔が目の前に来るまで身を屈めた。息がかかるほどの至近距離に、吐き気がこみ上げてくる。でも、ありがたいことに、なんとかそれをこらえた。「今朝、お前に怒鳴るのはこれで二度目だ。今夜のためにその顔を綺麗にしておく必要があることに感謝するんだな。でなければ、今すぐ当然の報いとして平手打ちを食らわしてやるところだ」

私は頷くだけで、何も言わなかった。父は背を向けて歩き去ると、テーブルを回り込み、私から目を離さないまま上座に腰を下ろした。「安心しろ、雑種。忘れたりはせん。舞踏会から戻ったら、相応の罰を与えてやる。さて、出発できるように荷造りを済ませる前に、朝食の準備をしたらどうだ? それから、どうかな、もし一度で正しくやり遂げられたなら、これ以上罰を追加してやる必要もなくなるかもしれんぞ」

父の言葉に、ローワンとブルーが笑い出した。真実を知っているからだ。私がどんなに必要なものをすべて詰め込んでも、どんなに高い基準で荷造りをしても、父がどうにかして欠点を見つけ出し、罰がまた一つ追加されることを、二人とも知っているのだ。

「ああ、それから、もし知らなかった場合に備えて言っておくが、今朝はお前が我々と一緒に朝食をとることはない」。それが罰の一環だろうとは、すでに予想していた。だからこそ、もちろん、今朝はお腹を空かせて目覚めたわけだ。でも、お腹が鳴って食べ物を求めていても、朝食やその他の食事を抜くのは私にとって珍しいことじゃない。もう慣れっこだから、今日だっていつもと変わらない。

すぐに私は後片付けをし、朝食のものをすべてしまい、みんなの宿泊用のバッグを詰めた。ブルームーンの舞踏会を主催するパックの比較的近くに住んでいるパックは、舞踏会の後で家に帰る。でも、遠すぎるパックは一泊して、翌日の朝食会に参加してから帰路につくのだ。パックハウスや敷地内の公園に滞在する者もいれば、地元のホテルや各自が選んだ場所に泊まる者もいる。私たちのパックは最近ダイヤモンド・パックと同盟を結んだ。だから、そのおかげでパックハウスに滞在するよう招待されたのだ。

「五分後に出るぞ!」父が階段の上に向かって怒鳴った。出発する前に、自分のバッグにすべて入っているか急いで再確認する。家族の誰も知らないことだけど、私は舞踏会の後、彼らと一緒に帰るつもりはない。リリーと私はある計画を立てていた。その計画とは、真夜中にダイヤモンド・パックを抜け出し、全力で逃げるというものだ。幸いなことに、私の荷物はほとんどない。着替えと、母の写真を含むいくつかの私物を詰めても、すべて一泊用のバッグに収まってしまい、誰にも気づかれない。

父のSUVに乗り込もうと外に出ると、リリーと彼女のお父さんが家から出てきて、自分たちの車に向かうのが見えた。彼女がこちらを見て、その目に宿るものに気づく。彼女も私とまったく同じように、荷造りを済ませ、覚悟を決めている。ダイヤモンド・パックへと出発するとき、私は最後のつもりで自分のパックを見渡した。そして、ここを去ることに少しも悲しみを感じていない自分に気づく。

この場所の誰のことも、何一つ恋しく思うことはないだろう。確かに、ここにはいい人たちもいる。でも、私を引き留めるほどじゃない。感情を表に出さないように努めるけれど、心の中は興奮で張り裂けそうだった。もう二度とここに戻らなくていい、リリーと二人きりで、ついに自由になれるのだと。ついに自由になって、私の家族という苦痛から解放されるのだ。

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