第58話

ボニー

ネイサンからその言葉を聞いて、背筋が瞬時にこわばるのを感じた。彼女が怖がっているのは、まあ当然だろう。森の中を引きずられて牢屋に放り込まれ、周りの牢には彼女の状況を良くするとは思えないろくでもない奴らが大勢いるのだから。でも、ネイサンの言い方には、何か違う意味が込められているように思えた。

彼女は外の誰かを怖がっているの?追われていて助けを求めている?何かから逃げていて、間違ってこの土地に迷い込んでしまい、今、命の危険を感じているの?私と同じような痛みから逃げているのだろうか?自分自身に問いかける無言の質問の数々で頭が痛くなる。けれど、そのとき私の論理的な部分が目を覚まし、すぐさまも...

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