第79話

ボニー

ニックから何があったか――いや、何を言われたかを聞いた瞬間、心臓の鼓動が一気に倍になった。あの赤ん坊たちが見つかったかもしれない。こんなに嬉しいことはない。もちろん、どこかで間違いがあった可能性も、誰かが見間違えただけで結局は別人でした、なんてことになる可能性だってあるのはわかってる。それでも、どんなに小さな希望の欠片でも、掴めるものなら必死に掴みたい。

ニックはオフィスへと走り出した。私はすぐ後を追うと約束した。彼が部下たちと二人きりで話す時間が数分は必要なのだろう。私が入っていくのを彼が止めるわけじゃないだろうけど、邪魔はしたくない。それに、今すぐ確かめなきゃいけない、同じく...

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