第29章

「寧々、名前を呼んでくれ」

彼女の声は少し途切れて、震えていた。

「川……」

木村川は一瞬で嬉しそうな表情になり、佐倉寧々も何かを理解したようだった。

過去の数年間、彼と一緒にいても、佐倉寧々はベッドの上で彼の名前を呼んだことはなかった。

もしかしたら呼んだこともあったかもしれないが、彼女の印象には残っていなかった。

木村川がこれほどまでにそれを重要視していたとは思わなかった。

突然体が宙に浮き、木村川は彼女をまるごと抱き上げた。細い脚がゆっくりと揺れている。

木村川が意地悪く少し手を緩めるだけで、彼女の体は下に落ち、男性の腰骨に激しく当たり、太くて硬い肉棒が一気に膣の奥まで...