第40章

一瞬にして、テーブルの周りの空気が凍りついた。

佐倉桜の顔に一筋の困惑が走った。

佐倉寧々と藤原卓也の別れはもはや秘密でもなかったのに、こんな場でこんな質問をするなんて、誰を辱めようとしているのかわからない。

佐倉寧々は父親の行動に理解できず、軽蔑の眼差しを向けていた。

佐倉景山は小さく咳払いをした。

すでにこの話題が持ち出された以上、佐倉寧々も佐倉桜に遠慮する気はなく、直接切り出した。

「ある人は今や第三者でなくなって、堂々と彼の彼女になれるようになったわね」

佐倉桜の顔色が青くなったり白くなったりした。

佐倉の母は子煩悩で、すぐさま言い返した。

「恋愛において、愛されな...