チャプター 51

ベラ視点:

何の前触れもなく吐き気の波が襲ってきた。集中治療室の外のベンチで身を折るように前かがみになり、胃が激しくかき回される。吐きそうになるのを必死に堪え、手のひらで口元を押さえた。

肩にイーサンの手が置かれた。力強いが、優しくはない握りだ。「どうした?消毒の匂いか?ここ、かなりきついからな」

首を横に振ったが、言葉が出ない。次の波が体内を転がり抜け、喉の奥が焼けるように痛む。涙で滲む視界の向こうで、イーサンの表情がふっと変わった。眉間に皺を寄せ、急に鋭い目つきで私の顔を見つめてくる。その視線にはどこか計算めいたものが混じっていて、頬が熱く火照っているのに、背筋だけが冷えた。

「ベ...

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