チャプター 62

エイサン視点:

祖母の居間の出入り口に、俺は凍りついたように立ち尽くしていた。ベラの後ろ姿が廊下の奥へ消えていくのを、ただ見送るしかない。両手は体の脇で拳に固まり、全身の筋肉が、抑えきれない感情をどうにか押しとどめようとこわばっている。追いかけたい気持ちは確かにあった。だが、追いついたところで無駄だ。背を向けたときの、あの目の冷え切った光が――俺に必要な答えをすべて告げていた。

「ようやく本性を見せたわね、この女は」

背後からアイリスが言った。満足げな甘さが声ににじむ。

俺は部屋へ向き直った。急に体が鉛みたいに重く感じる。考えるより先に、革張りのソファへどさりと腰を落とした。

「……...

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