第103章

一階。

隅のほうで楽団がゆるやかな旋律を奏ではじめ、式がまもなく始まることを告げた。

招待客たちも、もともと待機していた休憩スペースから、屋外の芝生へと移動していく。

松谷石矢は先ほどまで佐藤克人と長々しゃべっていた。中身はほとんどどうでもいい話だったが、顔を売るには十分だったらしい。

いまの彼は上機嫌で、あとは儀式が始まり、花嫁が入場して段取りを踏むのを待つだけ――そう思っていた。

林原撫子が白いヴェールをかぶり、端正に姿を現すと、客席からは社交辞令めいた賛辞がいくつか飛んだ。

松谷石矢もどこか得意げに、誇らしげな目で彼女が歩いてくる方向を見据える。

そして赤いバージンロード...

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