第111章

村木原矢が肩を貸して上体を起こさせると、酔っぱらいは目を細めて、ほんの一筋だけ開いた。焦点が合うなり、にへらっと笑う。

『村木警察官じゃん。なんであたしの夢にいるの?』

そう言い終えるや否や、ぱたりと目を閉じ、首を傾けてまた寝落ちしそうになる。

村木原矢はため息を飲み込み、身をかがめて彼女の腕を揺すった。

『起きろ。ここで寝たら風邪ひく』

揺すられてようやく反応した林原撫子が、ぼんやりと目を開ける。視線が定まるまで間があって、むにゃむにゃと不満げに呟いた。

『なに……まだ寝足りないんだけど』

村木原矢のこめかみに青筋がぴくりと浮く。それでも声は抑えた。

『ここ、お前んちの下だ...

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