第113章

テレビでは、地元でいちばん勢いのある芸能ゴシップ番組が流れていた。司会者は息継ぎもないほどの早口で、わざとらしいほど興奮した声を張り上げる。

『昨夜、本市の名門・松谷家と林原家が良縁を結ぶはずだった結婚式で、まさかの乱入者が! 花嫁の林原撫子さんがその場で婚約破棄、さらに謎の男性とともに会場を後にしました! 現実版「略奪婚」――いえ、「花嫁強奪」劇が勃発した可能性も!?』

画面はすぐに、式場の混乱を切り取った映像へ切り替わる。手ブレでぼやけているのに、林原撫子にはそれが昨夜の自分だとわかった。

続いて映し出されたのは、一枚の写真。

村木原矢が彼女へ手を差し伸べ、彼女はベールを持ち上げ...

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