第133章

その一言は、村木母にとって格好の「逃げ道」になった。

母は何度も頷き、顔をぱっと明るくする。

『もちろんよ。さっきはお母さんがカッとなっただけ。原矢が白石さんを嫌なら、別の子を探してあげる。珠美のほうも同い年のお嬢様をたくさん知ってるし、紹介してもらえばいいじゃない。それに春原様――お父さんの昔からのご友人だけど、あそこの娘さんがちょうど海外留学から帰ってきてね。今度あなたが……』

『母さん!』

村木原矢はこめかみがずきずきして、思わず声が大きくなる。乱暴に言葉を遮った。

『俺は誰にも興味ない。今は仕事に集中したいだけだ』

『母親に向かって、その言い方は何だ』

村木父が箸を乱暴...

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