第142章

村木母は唇を尖らせ、ようやく口をつぐんだ。

けれど林原撫子に向ける嫌悪だけは少しも薄れない。終始、まともな顔色ひとつ見せない。

食卓では村木祖母と村木原矢が時おり撫子に話を振ってくれたものの、彼女の神経は張りつめたまま。頬に貼りついたような笑みを浮かべ、箸もほとんど進まなかった。

重苦しい食事会は、結局長くは続かない。空気のきまずさを察した村木祖母が茶碗を置き、『ごちそうさま。原矢、大田はもう着いた? 用がないなら、私たちは先に帰るわね』と言った。

『はい、おばあさん。大田はたぶん下にいます。お送りします』

村木原矢はすぐ立ち上がった。どこか待っていたみたいに。

村木祖母は微笑み...

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