第145章

彼女はスマホを取り出し、数字をいくつか打ち込んだ。提示した金額は、社内の他の社員よりも五割ほど高い。

本当はもっと上乗せしてもいい。けれど、この支出は会社の口座から出る。林原お父さんのほうが黙っていないだろう。

年末の配当が出たら、そのぶん小宮にボーナスを多めに渡すしかない。

ところが意外にも、小宮はちらりと目を通しただけで、驚くほどあっさり頷いた。

決して破格ではない。それでも村木グループでの給料にかなり近い。つまり――この林原さんは、ちゃんと誠意を見せてくれている。

林原撫子はふっと笑い、手を差し出した。

『私のチームへようこそ。これからよろしく』

『こちらこそ、よろしくお...

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