第19章
「あっ、お姉さま!」
その瞬間、林原寧々は何も知らない顔をつくり、目元にみるみる涙を溜めた。
「わざとじゃないの。今日のスカート、ちょっと長くて……足を引っかけちゃって」
彼女の視線が、赤ワインでぐっしょり染まった林原撫子のスカートへ落ちる。心配そうに眉を寄せて言った。
「お姉さま、わたしのこと怒ってるのはわかる。でも今日は、こういう席でしょ? みっともないし、気持ち悪いでしょ……早く着替えたほうがいいよ」
「あとで、ちゃんと謝るから……」
いかにも申し訳なさそうに唇を震わせたかと思うと、寧々はすぐ手を上げ、近くのスタッフを呼び止めた。
「すみません。お着替えできる場所ってあり...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
11. 第11章
12. 第12章
13. 第13章
14. 第14章
15. 第15章
16. 第16章
17. 第17章
18. 第18章
19. 第19章
20. 第20章
21. 第21章
22. 第22章
23. 第23章
24. 第24章
25. 第25章
26. 第26章
27. 第27章
28. 第28章
29. 第29章
30. 第30章
31. 第31章
32. 第32章
33. 第33章
34. 第34章
35. 第35章
36. 第36章
37. 第37章
38. 第38章
39. 第39章
40. 第40章
41. 第41章
42. 第42章
43. 第43章
44. 第44章
45. 第45章
46. 第46章
47. 第47章
48. 第48章
49. 第49章
50. 第50章
51. 第51章
52. 第52章
53. 第53章
54. 第54章
55. 第55章
56. 第56章
57. 第57章
58. 第58章
59. 第59章
60. 第60章
縮小
拡大
