第24章

しばらく一緒に過ごすうちに、林原撫子は村木原矢に対する距離感もずいぶん薄れていた。だからその申し出を断らず、そっと頷く。

『助かります』

二人で側の間を出ると、古い屋敷の庭では左右の花が盛りを迎えていた。撫子はさっき入ってきたとき慌ただしくて、この穏やかな景色にまるで気づいていなかった。

『さっきのこと、あまり考え込むな』

少し言葉を選んでから、村木原矢が一言だけ添える。

『あの男はもう警備の者に警察へ連れて行かせた。法律に触れた以上、罰は受けさせる』

『ありがとうございます』

撫子は唇を結んで返し、感謝の色を浮かべた。けれど、この「ありがとう」だけでは到底足りないこともわかっ...

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