第25章

林原母は胸が張り裂けそうなほど痛んだのだろう、林原寧々の手をきつく握りしめ、目に涙を溜めていた。

林原景也も傍らに立って眉を寄せている。口には出さないが、顔に浮かぶ不安は隠しようがない。

そのせいで――扉を開けて入ってきた林原撫子に、誰ひとり気づかなかった。

撫子はドア枠にもたれ、黙ってその光景を眺める。寧々は相変わらず泣き叫び、「死ぬ」と喚き散らしていたが、ガラス片を握る手はすでに力が抜けていた。

撫子の口元に、嘲るような弧が浮かぶ。ずいぶん余裕だ。

寧々が、全部を捨てて本当に死ねるはずがない。

『ママ、離して……もう死なせてよ!』

寧々は泣きながら声を張り上げた。途中で息を...

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