第43章

オフィスは人がぐっと減っていた。そのぶん、静けさが戻っている。林原撫子もようやく気持ちを落ち着け、腰を据えて仕事に向き合えた。

ドキュメントの内容をしばらく追う。張りつめていた心が、どうにかほどけていくのを感じた。

やるべきことは、プロジェクトの企画書作り。手順はやや複雑だが、撫子は以前に企画書の作り方を少し触ったことがある。ゼロから手探りというわけではない。

空のファイルを開き、案件の要点を睨み据える。指が動き出し、企画書を書き起こしていった。

どれほど時間が経ったのか。キーボードを叩く手がふっと止まる。撫子は目元をこすり、周囲を見回した。

……誰もいない。

一瞬ぽかんとして、...

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