第86章

村木原矢が口を開くより早く、村川崇史が自分から言った。

『もちろん。俺たち、同僚なだけじゃなくて同級生でもあるんだ。前は同じ学校だったし。君が俺のこと知らないのは、担当が違うからだよ。だいたい俺、あちこち飛び回って世界を救ってるからさ』

林原撫子は内心、少し驚いた。村木原矢は外の人間にはどこか冷たく、気を許した相手にだけ、ほんの少しだけ辛抱強くなるタイプだ。

なのに村川崇史は、真逆だった。熱っぽい大型犬みたいに、誰にでも尻尾を振る。さっき容疑者を相手にしていたときですら、終始にこにこしていたくらいだ。

……村木原矢は、こういう暑苦しいくらいの人間が好きなのだろうか。

『村川警察官も...

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