第92章

林原撫子の疑問に対し、村川崇史はもったいぶらず、サングラスを頭の上へ押し上げると、ハンドルを軽く叩いた。

『俺のおじさんの車なんだ。どうよ、カッコいいだろ?』

『おじさん、お金持ちなの?』

『まあまあ。商売やってるし、車一台くらいどうってことないって』

村川崇史は首をぶんっと振り、何か思い出したように、惜しそうな顔をする。

『署が許してくれりゃ、これで犯人捕まえに行きたいくらいなんだけどな』

その言葉に、林原撫子は黙り込んだ。こんな車で現場に行くのは、犯人を追うためなのか、それとも見せびらかしたいだけなのか。

『ほら、林原さん。そんなに根掘り葉掘り聞くなって。早く乗ってよ。今は...

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