第127章

婚約披露の席がはねても、客たちの熱はまだ廊下に残っていた。リリアは亀之助に手首を掴まれたまま、曲がり角の陰でしばらく足止めを食らう。

亀之助は彼女の手をぎゅっと握り、さっきの席よりも露骨に馴れ馴れしい声で言った。

『リリア、いいか、父さんの話を聞け。正助は小村家の跡取りだ。お前はもうあいつの婚約者なんだから、これから先――小岩家の投資も後ろ盾も、全部お前にかかってる。しっかり傍にいて、機嫌を取れ。うまくやれば、小岩家のいい時代はこれからだ』

そう言いながら、亀之助はリリアの手をぽんぽんと叩き、付け足す。

『お前は小岩家の誇りだ。昔、父さんが……お前を傷つけることをした。だが、もう気に...

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