第131章

芽美が虎弥を見つけたのは、もう夜明け前だった。

濡れたままの髪。バスローブの上に適当に上着を羽織り、虎弥が借りているアパートのドアの前で、芽美は拳が痛くなるほど扉を叩いた。

ガチャリ、と鍵が外れる。

虎弥がドアを開け、芽美だと分かった瞬間、露骨に眉をひそめた。

『……何しに来た』

「消して。あれ全部」

泣きすぎて掠れた声だった。

「今すぐ。スクショもバックアップも、チャットの履歴も……全部、消して!」

虎弥は机にもたれ、芽美を一瞥すると、スマホを持ち上げてひらひらと振ってみせた。

『消すわけねーだろ。俺、何十人から金取ってんだぞ。今さら返せって? 俺がいくら稼いだと思ってん...

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