第16章

梨紗が車で七海を迎えに来た。乗り込むなり七海は車内をあちこち触って確かめ、興奮を隠しきれない。

「紀太郎だって十分金持ちだと思ってたけど、こんな高い車は乗ってなかったもんね。やっぱり頼るなら、天でも地でもなく親友だわ」

七海は心底そう感嘆した。

梨紗がくすっと笑う。

「紀太郎との離婚手続き、進んでる?」

「針の穴みたいに心が狭いジジイでさ。こっちは一回ぶん殴ってやったら、最初は意地でも引き延ばそうとしてたのに……人を使って一度ビビらせたら、さっさと離婚届にサインした」

地面に膝をついて命乞いしていた紀太郎の姿を思い出し、七海は胸の奥がすかっとした。

「それならよかった。これから...

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