第17章

梨紗は眉をひそめ、圭也にろくな顔をしなかった。

「なに? ここ、あんたの画廊なの? 絵を見に来るのに、いちいち許可がいるわけ?」

圭也は鼻で笑い、梨紗と肩を並べたまま、さっき彼女が見入っていた一枚を眺める。やがて小さく頷いた。

「性格は最悪だが、目は悪くないな。俺も初めてこれを見た時、ちょっと――来るものがあった」

梨紗には滑稽でしかなかった。

この絵が語っているのは、果てしない暗闇の底から、それでも折れずに伸び上がって、自分だけの光を掴み取るという寓意だ。

圭也は生まれた瞬間から陽の当たる場所にいた。スタート地点が、他人にとっては一生届かないゴールみたいな男だ。そんな男の「感慨...

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