第17章
梨紗は眉をひそめ、圭也にろくな顔をしなかった。
「なに? ここ、あんたの画廊なの? 絵を見に来るのに、いちいち許可がいるわけ?」
圭也は鼻で笑い、梨紗と肩を並べたまま、さっき彼女が見入っていた一枚を眺める。やがて小さく頷いた。
「性格は最悪だが、目は悪くないな。俺も初めてこれを見た時、ちょっと――来るものがあった」
梨紗には滑稽でしかなかった。
この絵が語っているのは、果てしない暗闇の底から、それでも折れずに伸び上がって、自分だけの光を掴み取るという寓意だ。
圭也は生まれた瞬間から陽の当たる場所にいた。スタート地点が、他人にとっては一生届かないゴールみたいな男だ。そんな男の「感慨...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
11. 第11章
12. 第12章
13. 第13章
14. 第14章
15. 第15章
16. 第16章
17. 第17章
18. 第18章
19. 第19章
20. 第20章
21. 第21章
22. 第22章
23. 第23章
24. 第24章
25. 第25章
26. 第26章
27. 第27章
28. 第28章
29. 第29章
30. 第30章
31. 第31章
32. 第32章
33. 第33章
34. 第34章
35. 第35章
36. 第36章
37. 第37章
38. 第38章
39. 第39章
40. 第40章
41. 第41章
42. 第42章
43. 第43章
44. 第44章
45. 第45章
46. 第46章
47. 第47章
48. 第48章
49. 第49章
50. 第50章
51. 第51章
52. 第52章
53. 第53章
54. 第54章
55. 第55章
56. 第56章
57. 第57章
58. 第58章
59. 第59章
60. 第60章
61. 第61章
62. 第62章
63. 第63章
64. 第64章
65. 第65章
66. 第66章
縮小
拡大
