第25章

「小岩さん、自分の立場をよく分かってるんだな。けど、嫌われてることを恥とも思わず、むしろ誇ってる人間は初めて見た」

圭也がそう言いながら、病室に入ってきた。

梨紗は無言で目を閉じる。圭也の悪口を陰で言ったのなんて、これまでにたった二回だけ。なのに二回とも、きっちり本人にバレている。

「竹原先生、この前は竹原病院でちゃんとお礼を言えなくて。梨紗が階段から突き落とされたときも、先生が病院まで連れて行ってくださったって聞きました。私も梨紗も、きちんとお礼がしたいんです」

七海がにこやかに言う。

梨紗は目を見開き、七海の服の裾を引いた。小声で噛みつく。

「私、いつ『お礼したい』なんて言っ...

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