第26章

「そういえばさ、お前って彼の紹介でうちに来たんだろ? だったら、どうして彼に診てもらわないんだ?」

黒崎教授が声を立てて笑った。

梨紗は口元をぴくりと引きつらせる。

「じゃあ、なんで教授が私の手術をしてくれないんですか」

黒崎教授はへらへらと手を振った。

「もういい歳だからなあ。若い連中には敵わんよ。手術が終わったら、他科の先生たちとも一緒に治療方針を詰めてやる」

「ありがとうございます、黒崎教授。じゃあ、ここ数日で用事を片づけたら入院します」

梨紗は丁寧に頭を下げ、椅子を引いて診察室を出た。

病院を出た途端、胸の奥にどんよりとしたものが沈む。

結局ぐるっと回って、圭也に執...

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