第42章

「梨紗、あなたも来てたのね。まさか来るとは思わなかったわ」

リリアはわざとらしいほど落ち着いた声で言った。大きすぎず、小さすぎず――周りの耳に届く絶妙な音量。案の定、視線が一斉にこちらへ集まる。

「例の梨紗ってあの子? ヤクザにさらわれてボロボロって話じゃなかった? 普通にきれいじゃない」

「ねえ、今リリアが言ってた? あのプロジェクト、二人で公平に競って勝ったほうが持ち株を得るって。梨紗って小岩の養女でしょ? 本物のお嬢さま相手に張り合うとか、身のほど知らずにもほどがある」

「欲が深いんだよ。勝てば一生安泰、負けても恥をかくだけ。……まあ、あんな所から戻ってきた時点で、恥なんてとっ...

ログインして続きを読む