第45章

梨紗は別に急いでもいなかった。小岩グループなど、彼女にとってはあってもなくてもいい。株を手に入れるのも、持ち駒となる事業を一つ増やしたいだけだ。たとえ小岩グループが最後に破綻しようと、梨紗には痛くも痒くもない。

亀之助は長い葛藤の末、震える手で譲渡書にサインを落とした。

「おまえ、ちゃんと立て直せよ。じゃないとグループが潰れたとき、絶対に許さねえからな!」

ここまで来ても、亀之助の脅しは獣じみていた。

梨紗は取り合わない。譲渡書をしまうと、佐々木へ短くメッセージを送る。

次の瞬間、会場の照明がすとん、と落ちた。大スクリーンの光だけが、場内を薄く照らす。設計展示の図面が次々と映し出さ...

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