第59章

翌日、梨紗はいつもより早く起き、車で病院へ向かった。

前回一度来ている。勝手も分かっていた梨紗は、迷うことなく黒崎教授の部屋へ行き、コンコンとノックして返事を待ち、扉を開けて中へ入った。

「こんにちは、黒崎教授……」

室内の人物を視認した瞬間、梨紗の笑みがぴたりと固まる。

圭也が、黒崎教授の傍らで何か話していたのだ。梨紗が入ると、圭也は言葉を切ってこちらを振り向いた。

梨紗は眉をひそめる。――なんでこんなところに。タイミングが良すぎる。

「梨紗、来てくれたか。最近の具合はどうだい。ずっと気になっていてね。何人かの医師とも会議して、治療方針を検討していたんだ」

黒崎教授は穏やかに...

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