第62章

 雪美が「ぷっ」と吹き出し、健治の胸にもたれかかりながら、高慢ちきに言い放つ。

「自分でだらしない真似して変な病気もらったんなら、どっかで勝手に野垂れ死ねばいいのよ。よくものこのこ出てきて人に迷惑かけられるわね」

 梨紗は口元に薄い笑みを浮かべたまま、二人のほうへ歩み寄った。視線は雪美の腹へと落ちる。

「それ、妊娠? じゃあ一応、おめでとうって言っておくべきかしら」

 雪美は鼻で笑った。

「結構よ」

「ああ、そっか。あんたを祝うのは違うわね。祝うなら健治のほうか。小岩グループを継ぐ望みなんてもうほとんどなくて、小岩家の厄介者同然。そんなタイミングで、あんたっていう玉の輿にしがみつ...

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