第64章

 その後の二日間、梨紗はワードに返信こそしたものの、以前のような熱はすっかり失われていた。

 ある時はそっけなく二、三言返すだけ。ある時は話が始まった途端、「仕事が立て込んでて」と切り上げる。

 ワードのほうも彼女の異変には気づいていたが、梨紗はそのたびに「忙しい」「疲れてる」と言ってはぐらかした。

 その一方で、圭也からも何度も電話がかかってきたが、梨紗はすべて着信拒否のように切って出なかった。

 こんなふうに距離を置けば、圭也もさすがに諦めるだろう――そう思っていた。まさか彼が小岩グループのビルの下で待ち伏せしてくるとは、思いもしなかった。

 エレベーターを降りた瞬間、ロビーの...

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