第70章

圭也はちらりと梨紗を見上げ、目をくるりと動かした。――悪だくみが胸の奥で形になる。

次の瞬間、圭也は口端を引きつらせて「ひゅっ」と息を吸い込み、頬を押さえて苦しそうな顔を作った。

『ど、どうしたの?!』

梨紗が心配そうにしゃがみ込み、圭也の様子を覗き込む。

すると圭也は、その流れのまま梨紗の胸元へもたれかかった。拗ねたように言う。

『言わなきゃよかった……言われた途端、顔がズキズキする。梨紗、ほんと容赦ない。手、重すぎ』

梨紗は罪悪感が膨らみ、圭也が自分に寄りかかっていることにも気づかない。

『康之が追いついてきたのかと思って、反射で殴っちゃったの。ていうか、康之をちゃんと見て...

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