第73章

圭也は梨紗が去っていった方角へ、昏い目を一度だけ向けた。やがて踵を返し、四之助のあとを追う。

光希もついていこうとしたが、四之助が片手を上げて制した。

圭也と四之助は人のいない庭へ向かった。圭也は四之助を支えてベンチに座らせ、自分はその前にきちんと立つ。

圭也がこんなふうに従順になるのは、四之助の前だけだった。

「……あの子、君のことが好きじゃない。どうするつもりだ」

四之助が問う。

「その件はご心配なく。俺には俺のやり方があります」

圭也は淡々と返した。

「やり方がある、か。だが相手が嫌だと言っている。それに、仮にあの子が頷いたとして……なぜ私が君に彼女を娶らせると思う?」...

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