第76章

あれ……これって、あいつがわざわざダサいのを選んで、梨紗と交換したあのカフスじゃないか!?

梨紗は「好きな人に贈る」って言ってた。ってことは……まさか。

一瞬で、圭也の脳裏に梨紗と過ごした時間が走馬灯みたいによみがえる。

甘える顔。怒った顔。やさしい声。意地を張る横顔。

その全部が、深く、深く刻みつけられていた。

圭也はずっと、自分の片想いだと信じていた。なのに――梨紗も、同じように自分を想っていたのだ。

ここ数日も「梨紗には好きな相手がいる」と思い込んで、胸の奥が重たいまま、仕事で無理やり気をそらしてきたというのに。

まさか、その「好きな相手」がワードだなんて。

……俺は、...

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