第82章

T市に戻ると、圭也は梨紗を高級住宅街の邸宅まで送り届け、病院に用事があると言ってそのまま立ち去った。

梨紗は家に入るなり、疲れ切った身体をベッドへ投げ出した。今日は肝を冷やすような事故に遭い、そのあとも長時間車に揺られっぱなしだったのだ。限界が来て当然だった。

横になって間もなく、意識はずぶずぶと沈んでいく。

次に目を開けたときには、外はすっかり夜だった。梨紗はぼんやりと瞬きをする。部屋の灯りはついていない。カーテンもきっちり閉められておらず、星明かりが薄く差し込んでいた。音は何ひとつない。

静かで、暗い。

世界から切り離されたみたいで、胸の奥にひやりとした孤独が這い上がってきた。...

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