第83章

「え?」七海がぎょっとして声を上げた。『なんで、わざわざ彼女と同じ日に個展をぶつけるの? これ、あなたにとって初めての個展だよ。同日開催なんて縁起でもないじゃん』

梨紗は気にも留めず、くすりと笑う。『私の評判なんて、もう外じゃ地に落ちてる。原稿買いだの、実力がないだの、好き放題言われてるし。いっぽうリリアは画壇の新星でしょ? 「もうすぐコリを超える」って騒がれてるくらい。……そんなタイミングで、私がコリだって公表したら、どうなると思う? 大騒ぎになるよね』

『うーん……まだよく分かんない』七海が首をかしげる。

「……おびき出すつもりか?」と、横で圭也が口を挟んだ。

梨紗は驚いて振り返...

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