第85章

巧を説得し終えると、梨紗は病室を出た。ちょうど扉の前で、圭也と鉢合わせる。

『どうしてここに?』梨紗が訊く。

『巧の見舞いに来たって聞いたから。様子を見に来たのと……それから、ひとつ言っておきたい』圭也は真剣な顔で言った。『記者会見が終わったあと、現場はたぶん荒れる。なるべく一人で動くな。終わったら正面玄関で俺を待て』

『一人で動かなかったら、あの人たちに隙を作れないでしょ』梨紗はくすっと笑い、目尻をやわらかく細める。『大丈夫。圭也がくれたネックレス、ちゃんと着けてる。きっと守ってくれるって信じてるから』

その言葉に、圭也の心臓が一拍、抜けた。

今も、これから先も――何があっても梨...

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