第86章

梨紗は眉間に深い皺を刻み、周囲の人間を氷のような目で見据えた。ふっと冷笑し、抱えていた絵を胸元へ引き寄せる。

「今日の記者会見には大手メディアの記者が山ほど来るし、画壇の大物だって顔を出す。暴きたいなら暴けばいい。むしろ、騒ぎは大きいほどいいわ」

一拍置いて、梨紗は唇の端を吊り上げる。

「でも……あなたたち、損してるって思わない? ここでリリアのために先頭切って暴れて、何かあったら責任を負うのはあなたたち。肝心の本人は遠くで安全圏。そんな『熱心なファン』がいて、あの子は幸せね」

さっきまで息巻いていた連中が、ぴたりと動きを止めた。左右を見回して――ようやく気づく。

リリアはいつの間...

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