第89章

梨紗は、簑原がなぜここにいるのか疑問に思った。けれど、わざわざ自分を呼び出した以上、何か重大な発見があったのかもしれない。そう考え、記者たちの取材を断って、3番ゲートへ向かった。

いまAetheris Galleryの人間は正面入口に集まっている。ほかの出入口にはほとんど人影がない。梨紗は迷わず3番ゲートへ行き、扉を押し開けた。

そこに、簑原が立っていた。

額から頬にかけて冷や汗がびっしり。極度に緊張しているのが一目で分かる。視線は落ち着きなく、正面入口の左右を何度も確かめていた。

梨紗は、瞬時に異変を察した。

簑原が口だけ動かす。

『……ごめん』

背筋がぞくりと冷えた。嫌な予...

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