第91章

梨紗は圭也の襟元をぎゅっと掴んだ。何度も口づけられて頬は熱く、息まで上ずっている。

含み笑いの瞳を向けてくる圭也を見て、胸の奥に負けん気が灯った。――誰が怖がるもんか。キスならキスよ。

そう思った瞬間、梨紗は圭也を引き寄せ、首に腕を回して自分から唇を重ねた。

圭也の口元が、してやったりと弧を描く。次の瞬間、その口づけは容赦なく深くなる。

梨紗は、自分がどうやってホテルを出たのか覚えていない。ただ、キスを重ねるうちに意識がふっと途切れ、次に目を開けたときには部屋の中だった。

内装はヨーロッパ調で、どこを見ても繊細で、贅沢で――息が詰まるほど整っている。

梨紗は上体を起こした。背中に...

ログインして続きを読む