第96章

一方そのころ、圭也は手術を一件終えて戻ってきたところだった。疲れた指先で眉間をぐっと揉み、デスクに腰を下ろす。

ふと、脳裏に梨紗の笑顔が浮かぶ。

それだけで、重くのしかかっていた疲労が半分ほどほどけた気がした。

別れてから、まだ数時間しか経っていない。それなのに圭也はもう、どうしようもなく彼女が恋しい。できることなら一瞬たりとも離したくない――そんな衝動に駆られる。

圭也は梨紗に電話をかけた。

呼び出し音を聞きながら、片手でノートPCを開く。電源ボタンを押した瞬間――画面がばちばちと異様に点滅し、中央にでかでかと一文が表示された。

【くそ!】

「……」

圭也の口元にあった笑み...

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