第40章

九条美琴は嘲るように言った。

「私が九条家に戻ったところで、誰かが面倒見てくれるとでも思う?」

「……」

陸川雅樹は黙り込む。

九条家の連中が彼女を露骨に避けている以上、戻ったところで意味がない。とはいえ、桜ヶ丘レジデンスに一人で置いておくのも危なっかしい。

――だが、それは彼の知ったことじゃない。

話はそこで打ち切られた。

二十分ほどして、九条美琴のスマホが鳴った。

「美琴、今タクシー乗ったよ。心配しないで。そっちはどう? 少しはマシになった? まだふらふらする?」

親友に気を遣わせたくないのに、莉央のほうが気を揉んでいる。乗車した途端にかけてきたのだろう。

九条美琴は...

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