第44章

1階のリビングでは、九条家の三人が長女をどう落ち着かせるべきか話し合っていた。そこへ、2階から喉が裂けるような悲鳴が響く。全員がびくりと立ち上がった。

何があったのか尋ねる間もない。

九条瑞希が廊下へ飛び出してきたかと思うと、そのまま真っ逆さまに階段を転げ落ちた。

「瑞希! 瑞希!」

「瑞希、大丈夫!?」

「救急車! 早く救急車呼んで!」

駆け寄った家族が、段差の下でうずくまる瑞希を抱き起こす。皆、顔面蒼白で口々に声をかけた。

瑞希はもともと恐怖で魂が抜けたようになっていたうえ、転落の痛みで全身が震えている。なかでも腹の奥が、焼けるように痛かった。

彼女は小腹を押さえ、半開き...

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