第47章

「助けて! 助けてぇ……!」

九条瑞希は半狂乱で叫び、足をばたつかせた。声は張りつめ、震えている。

だが、無駄だった。

屈強な男が二人、手足をがっちり押さえつけ、手際よく縄で縛り上げる。頭には黒い袋が被せられたまま。何も見えない。

瑞希の脳裏に真っ先に浮かんだのは、人さらい――人身売買だ。

だって、あのときもそうだった。九条美琴は、こうして連れていかれ、大山へ売られたのだから。

考えれば考えるほど絶望が濃くなる。けれど、口はまだ塞がれていない。助けを呼んでも無駄だと悟った瞬間、瑞希は即座に舵を切った。

「あなたたち、何者なの!? どうして私をさらうの! 犯罪よ、わかってる!? ...

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