第54章

陸川雅樹は一瞬きょとんとしてから、信じがたいという顔で言い返した。

「君が現戸主だろ。俺に処理しろって? そもそも俺たち、何の関係がある?」

「関係あるに決まってるでしょ。元の戸主はあんたなんだから。あんたが売った家に問題が出たなら、責任取るのが筋よ」九条美琴は胸を張って言い放つ。

もともと今日は機嫌が最悪だった。

九条家と決裂して大喧嘩。挙げ句に平手打ちまで食らって、耳もおかしい。さらに新居は水浸し。帰ろうにも道は渋滞。

不運と不調がこの瞬間に全部まとめて襲ってきて、苛立ちは限界。誰でもいいから噛みついて発散したかった。

「九条美琴、お前——」

「耳がよく聞こえないの。だから...

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